漢方嫌いであった医師による漢方の魅力を語るサイト
 

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わたしの漢方川柳

妖怪と 馬鹿にしていた 我を恥じ
直球が 無効な相手に 変化球

病名が なくても出せる ありがたさ
病名で 結構出せる 漢方薬
腹を診て 話を聴けば より有効

漢方を いつも飲んでりゃ 風邪引かぬ
漢方の 達人さえも 風邪を引く

ネズミ君 先人の知恵を 確かめて
足し算で 副作用減らし 効果出し
フラボンが そんな効くなら 陳皮食え

掃きだめも 漢方薬ありゃ 快適だ
人生を 生きてみたいな 師のように

英国オックスフォード大学で移植免疫学の勉強をしていた5年間、そしてそれ以前、私は漢方を全く別世界と感じ、僕の感覚では妖怪の世界の治療方法でした。良い悪いというよりも、異次元のものでした。(妖怪と 馬鹿にしていた 我を恥じ) それよりも必要性を感じていませんでした。1998年に大学病院で診療に従事するようになり、院内・院外から多数の患者さんを紹介されました。その九割以上は私の専門とする血管外科以外の患者さんでした。数分の診療で私の領域の病気ではないことがわかると、丁重にその旨をお話しし、私では治せないことを告げました。すると何人かの患者さんが「ではどこに行ったらいいのですか。もうたくさんの先生に診てもらっている」、「やっと先生のところに辿り着いたのに、治してくれないんですか」と言われました。そこでふと漢方を処方してみようと思い、そして今では、4人のうち3人がわたしのところに来て良かったと言ってくれます。西洋医学は私にとって直球です。その直球が少しでも早くなるように、医師となってからは日夜励んできました。そして20年近く経ち、やっと素晴らしく早い直球が投げられるようになりました。でも私の直球が通用しない相手がたくさんいました。そういう患者さん達を今までは、上手に診ないようにしていただけなのです。その現実に直面し、漢方薬という変化球の存在を知り、それを学んで、全員とは言いませんが、直球が通用しない相手の多くを何とか三振にとれるようになりました。(直球が 無効な相手に 変化球)
漢方の私にとっての魅力は以下の五つです。

  1. 西洋医学的病名がなくても漢方薬は処方可能
  2. 漢方薬には重篤な副作用はほとんどない。
  3. 漢方薬は健康保険が有効で、西洋薬剤より基本的に安価である。
  4. 漢方薬は上手に使えば本当に良く効く。
  5. 漢方薬を飲んでいると、他の症状や訴え、病気が治ることがある。

まず、他の多くの先生を受診してから僕の外来に来る患者さんは、西洋医学的病名がはっきりしない方が多いです。そんな患者さんにも漢方薬は処方可能です。だって現代西洋医学が発達するここ百数十年よりも遙か昔から漢方薬は使用されているのですから。(病名が なくても出せる ありがたさ) そして、重篤な副作用はほとんどなく、健康保険の適応となる漢方薬も多く、そして西洋医学的病名投与でも結構効きます。(病名で 結構出せる 漢方薬) もちろん、漢方的診察をすると漢方薬が有効な打率は上がります。(腹を診て 話を聴けば より有効) そして漢方薬を処方して感じる漢方の素晴らしさは、どの漢方薬でも長く飲んでいると、他の症状や訴えなどが治ることです。患者さん自身がこんな症状、こんな訴えが良くなったと進んでしゃべることもあります。そんなことを言わないときは、最近風邪を引きますかと尋ねています。すると多くの患者さんは「確かに最近は風邪を引きにくい」「風邪を引いても比較的早く治る」といいます。(漢方を いつも飲んでりゃ 風邪引かぬ) しかし漢方薬は魔法ではありません。だって、わたしの漢方の先生も希に風邪を引きますよ。(漢方の 達人さえも 風邪を引く) 10年前は漢方なんて妖怪と思っていました。そして今は漢方に夢中です。そこで10年前の私のような医師に漢方の魅力をすこしでもわかってもらうために、マウスの心臓移植の実験をしています。(ネズミ君 先人の知恵を 確かめて) 新しいことを導きだそうと言うのではなく、漢方の魅力を動物実験で証明したいのです。たとえば柴苓湯の実験です。移植されたネズミの心臓は通常8日で拒絶されます。ところが柴苓湯を移植後8日間強制的内服させると、100日以上心臓は拒絶されません。12味の柴苓湯ですが、一味を抜いた柴苓湯が12種類できます。その一味抜き柴苓湯は12味すべてがそろった本物の柴苓湯と同じ効果はありませんでした。つまり、12の構成生薬すべてが心臓移植後の拒絶反応の防止には必要でした。これは、大きな山の中から宝ものを見つける西洋薬学的発想からは理解できないことです。漢方薬は敢えて生薬を足し合わせて、効果を出し、効果を増強し、副作用を減らしているのだと私は考えています。(足し算で 副作用減らし 効果出し) 私が口演をすると西洋医学で高名な座長の先生から漢方薬のどの成分が有効なのかとの質問をされます。そう言うときは、六君子湯の陳皮の中に含まれているヘプタメトキシフラボンがグレリンというホルモンの抑制を防ぐというような話もしますが、これは漢方の本当の魅力から遠くなると付け足します。漢方はわたしの柴苓湯の実験で示したように、敢えて生薬を足したことに意味があるので、ヘプタメトキシフラボンが有効ならそれを合成し薬剤にすればよいし、それが現状では無理なのであれば、陳皮だけを食べれば十分ですよね。(フラボンが そんな効くなら 陳皮食え) 漢方と出会って多くの患者さんに満足感を与えると、他の病院や先生方では治らない患者さんが益々増加しています。いわゆるゴミ捨て場外来となっていますが、漢方薬があればどんな訴えにも対処でき、そして多くの患者さんが、決して全員ではありませんが、良くなりますので、外来も日々楽しく行っています。(掃きだめも 漢方薬ありゃ 快適だ) 松田邦夫先生に出会って、漢方の先生として心から慕っていますが、それ以上に人生の先輩として尊敬しています。松田邦夫先生に少しでも近づきたいと日々勉強し、そして松田邦夫先生のように人生を生きてみないなと思っています。(人生を 生きてみたいな 師のように)
 
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